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2009年01月21日

建築失敗談-その1

先月、失敗談を書くと言っておきながら、すっかり忘れておりました。
年末慌しくているうちに、1回も思い出すことなく、今日に至った次第。

と言うことで、早速、失敗談その①。

私がこの業界に入って間もない20代前半の頃、担当していたお客様(建替)の
現場で土留め工事があった。1,2m程低い隣地との境にあった古いブロック塀
が老朽化していたので、RC造りの擁壁に造りかえるというものだった。

建物解体後、古いブロック塀も解体したところで隣の方からクレームが。
「人の敷地に勝手に入るな!」
職人がブロックの解体時に無断でお隣の敷地に立ち入っていたのだ。 事前に
近隣へのあいさつ回りをしていたがそのお宅は日中不在だった為、あいさつ品
のタオルと名刺をポストに入れただけで済ませていたのだ。
当時はまだ「あいさつ」をするという事に重きをおく時代ではなかったが、それに
しても大きな手落ちだった。 私は改めて夜間にお詫びの挨拶をしに行き何とか
ご理解頂いた(と思っていた)。 しかし、その後擁壁工事に入ろうとした時点で
一通の内容証明郵便が届いた。

始めてみるその仰々しい封筒にビビりながら中を見ると、「貴社の行う○○邸
の擁壁工事にあたり私の敷地に一切入ることを禁止する」と書いてあった。

現実的に境界にRCの擁壁を造るとなると型枠(コンクリートを流すときの木枠)
の仮設置などあるため、隣地に全く入らず施工することはできない。あれこれと
悩んだ挙句施主様に相談。 疲労困憊している私に同情して下さり擁壁の位置
を境界から20cm離して造ることに同意してくださった。

そして隣家の方にもその旨説明にいき、何とか納得してもらって工事再開。

職人さんには、その20cmの中でどうにかこうにか工事をしてもらった。

今から思えば肝心な最初のあいさつと工事の事前説明を怠った、基本的な手
落ちだ。 隣の方もさぞかし不愉快だったことと思う(今更ながら申し訳ありませ
んでした)。事前に説明していれば、境界ギリギリに擁壁を造れたかも知れない。
施主の方にも本当に迷惑をおかけしてしまった。

まだ若造だった私はこの件で1ヶ月近く悩み、生まれて初めて胃が痛くなった
のを覚えている。

投稿者 tamagawa : 2009年01月21日 15:28